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オールオン4

オールオン4とは

オールオン4

1日で噛める歯を取り戻す
全顎即日インプラント治療

オールオン4(All-on-4)は、総入れ歯をお使いの方や、多くの歯を失った方を対象とした、特殊なインプラント治療法です。

従来のインプラント治療では、失った歯の本数分だけインプラントを埋め込む必要がありましたが、オールオン4では、わずか4〜6本のインプラントで、片顎すべての歯(12本分)を支えることができます。

この治療法の最大の特徴は、「即日荷重」という技術にあります。つまり、手術当日にインプラントを埋め込み、その日のうちに仮の歯を装着して噛めるようになるのです。そのため「ワンデイインプラント」とも呼ばれています。

従来のインプラント治療では、手術後に骨との結合を待つ期間(3〜6ヶ月)が必要でしたが、オールオン4ではこの待機期間を大幅に短縮し、患者様の通院負担を最小限に抑えることができます。

少ない本数で全体を支える仕組み

なぜ4〜6本という少ない本数で12本分の歯を支えられるのでしょうか。その秘密は、インプラントの配置角度にあります。

奥歯に埋め込むインプラントを斜めに傾けて配置することで、骨との接触面積を最大化し、力を効率的に分散させることができます。これは建築物の「アーチ構造」に似た原理で、少ない支柱でも大きな荷重を支えられる設計です。

さらに、インプラントを連結した固定式のブリッジにすることで、力を分散し、安定性を高めています。この設計により、手術直後から軽い食事であれば可能になり、患者様の生活の質を大きく改善できます。

少ない本数で全体を支える仕組み

どのような方に適しているか

オールオン4は、以下のような方に特に適しています。

  • 総入れ歯が合わずに困っている方
  • 入れ歯の違和感や痛みに悩んでいる方
  • 重度の歯周病で多くの歯を失った方、あるいは失う可能性が高い方

などです。

また、顎の骨が薄くなっていて、従来のインプラント治療では骨を増やす大がかりな手術が必要と言われた方でも、オールオン4なら対応できる可能性があります。

ただし、すべての方に適応できるわけではありません。重度の全身疾患がある方や、コントロールされていない糖尿病の方などは慎重な判断が必要です。

当院では、各分野の専門医が常勤・非常勤で在籍しており、補綴医、口腔外科医、麻酔医が連携して総合的な診断を行います。一人の患者様を多角的に評価することで、最適な治療法を提案しています。

専門家が患者様のもとに集まる
一体型チーム医療

専門家が患者様のもとに集まる一体型チーム医療

当院と、大学病院などの大規模病院や一般的な歯科医院との違い

オールオン4のような複雑な治療では、複数の専門家による連携が不可欠です。しかし、多くの医療機関ではこの連携に課題があります。

  1. 大学病院などの大規模病院大学病院などの大規模病院では、口腔外科、補綴科、麻酔科といった各科が独立して機能しており、高い専門性を持つ反面、患者様が各科を順番に回る必要があります。
    例えば、補綴科で治療計画を立て、別の日に口腔外科で手術の相談をし、さらに麻酔科で術前評価を受けるといった具合です。そのため、情報伝達に時間がかかったり、治療方針の調整に複数回の通院が必要になったりすることがあります。
  2. 一般的な歯科医院一般的な歯科医院では、院長を中心とした少人数体制で運営されているため、意思決定は迅速ですが、オールオン4のような高度な治療に必要な専門医(補綴専門医、口腔外科専門医、麻酔医など)が揃っていないことが多く、また院内に歯科技工ラボを持たないため、技工物の製作に時間がかかります。
    このような制約から、1日で治療を完結させることは困難です。

「当院」は両方の利点を兼ね備えた一体型チーム医療を構築

当院では、大規模病院の「専門性の高さ」と、一般歯科医院の「意思決定の速さ」という両方の利点を兼ね備えた体制を構築しています。

補綴医、口腔外科医、麻酔医といった各分野の専門医が常勤・非常勤で在籍しながら、「科ごとの分断」を解消し、「専門家が患者様のもとに集まる」一体型チーム医療を実践しています。

全ての専門家が同じ場所に集まり、1人の患者様に対して1日をかけて集中的に治療を提供します。これにより、患者様は何度も通院することなく、1日で手術から仮の歯の装着まで完結できるのです。

リアルタイムの情報共有と治療の可視化

当院のチーム医療のもう1つの特徴は、治療過程を記録・可視化し、患者様の理解と信頼を得ることを重視している点です。

CT画像やコンピュータシミュレーションの結果を、患者様にも分かりやすく提示し、「なぜこの位置にインプラントを埋めるのか」「どのような歯の形にするのか」を治療前に共有します。

リアルタイムの情報共有と治療の可視化

リアルタイムの情報共有による利点

手術中も各専門家がリアルタイムで情報を共有しながら進めます。

例えば、口腔外科医がインプラントを埋め込む際、その位置と角度を即座に技工士に伝え、技工士はそれに合わせて仮の歯を調整します。

補綴医は全体の進行を監督し、必要に応じて設計の微調整を指示します。この緊密な連携により、認識のずれや手戻りが生じず、高品質な治療を短時間で実現できます。

院内ラボ併設による迅速な対応

当院が1日で治療を完結できる理由の1つは、院内に歯科技工ラボを併設していることです。通常の歯科医院では技工物を外部の技工所に発注するため、製作に数日から数週間かかります。

しかし、当院では歯科技工士が院内に常駐しており、手術当日に仮の歯を製作できます。

技工士は、手術室の様子をリアルタイムで確認しながら作業を進めます。インプラントが埋め込まれた位置や角度を直接確認し、患者様の顔貌や唇の動きも観察しながら、最適な歯の形を作り上げます。

万が一、装着時に調整が必要になった場合も、その場で即座に修正できます。この院内完結型の体制が、治療時間の大幅な短縮と、精度の向上を同時に実現しています。

院内ラボ併設による迅速な対応

骨が薄い症例にも対応できる
全顎再構築のアプローチ

骨が薄い症例にも対応できる全顎再構築のアプローチ

多くの方が他の歯科医院で「骨が薄くてインプラントは難しい」と断られた経験をお持ちです。長期間入れ歯を使用していたり、重度の歯周病で歯を失ったりすると、顎の骨は徐々に吸収されて薄くなってしまいます。

従来のインプラント治療では、このような場合、骨を増やす手術(骨造成)が必要とされ、治療期間が大幅に延びることがありました。

骨の厚い部分を最大限に活用する設計

オールオン4では、顎の骨の中でも比較的厚みが保たれている部分を選んでインプラントを配置します。

さらに、前述のように奥歯のインプラントを斜めに傾けることで、骨の薄い部分を避けながら、骨との接触面積を確保できます。この配置の工夫により、多くの症例で骨造成を行わずに治療が可能になります。

徹底した術前計画について

当院では、CT撮影による3次元的な骨の分析と、コンピュータシミュレーションを駆使して、患者様の骨の状態に最適なインプラント配置を事前に計画します。この精密な術前計画により、骨が薄い難症例でも安全で確実な治療を実現しています。

シミュレーション結果は患者様にも詳しくご説明し、治療内容を可視化することで、安心して手術を受けていただけるよう配慮しています。

CT撮影・コンピュータシミュレーションによる精密な術前計画

理想的な歯列をゼロから設計する
「建て替え」の発想

当院のオールオン4治療は、単に「失った歯を補う」だけではありません。

長年の入れ歯使用や歯周病の進行により、多くの患者様は噛み合わせの位置が低くなったり、顎の位置関係が崩れたりしています。このような状態で従来の歯の位置をそのまま再現しても、最適な結果は得られません。

当院では、オールオン4を「建て替え」と捉え、理想的な歯列、噛み合わせの高さ、顎の位置関係をゼロから設計します。これは住宅に例えるなら、古い家を部分的に「リフォーム」するのではなく、土台から「建て替える」ようなアプローチです。

理想的な歯列をゼロから設計する「建て替え」の発想

補綴医が、顔貌のバランス、発音、筋肉の動きなども考慮しながら、その患者様にとって最適な口腔環境を設計します。

この全顎再構築のアプローチにより、見た目の美しさだけでなく、長期的に安定した機能を実現できます。治療後は、若い頃のようにしっかりと噛めるようになり、食事の楽しみが戻ったと多くの患者様から喜びの声をいただいています。

1日集中治療から
長期メンテナンスまでの
一貫した流れ

1日集中治療から長期メンテナンスまでの一貫した流れ

治療当日のスケジュール

治療当日は、通常、朝から夕方まで約6時間ほどのスケジュールを要します。長時間になりますが、患者様の体調を考慮し、無理のないよう適宜休憩を挟みながら進めていきます。

  1. 最終的な手術計画の確認・静脈内鎮静法の準備まず、最終的な手術計画の確認と、静脈内鎮静法の準備を行います。事前のCT撮影や口腔内スキャンのデータをもとに作成したシミュレーションを再確認し、インプラントの埋入位置や角度を最終チェックします。
  2. 鎮静状態麻酔医が患者様の全身状態を評価し、安全に手術を受けられる状態を確認してから、鎮静状態に入ります。この麻酔方法により、うとうとと眠ったような状態になり、痛みや恐怖をほとんど感じることなく手術を受けられます。
  3. 埋入手術開始鎮静状態に入ったら、口腔外科医がインプラントの埋入手術を開始します。手術はデジタルデータに基づいて製作されたサージカルガイドを使用し、シミュレーション通りの位置に正確にインプラントを埋入していきます。手術は2時間前後で完了します。手術中、技工士は院内ラボで仮の歯の製作を進めます。
    事前に口腔内スキャナーで取得したデータをもとに仮歯の原型はすでに準備されており、インプラントが埋め込まれたら、その位置と角度を正確に記録し、それに合わせて仮の歯を調整します。
  4. 手術終了後手術終了後は、麻酔から覚めて体調が安定したことを確認してから、製作した仮の歯を装着します。この時点で、補綴医が噛み合わせや発音、見た目を細かく確認し、必要に応じてその場で調整を行います。院内ラボがあるため、微調整も即座に対応できます。
  5. 休息すべての処置が完了したら、再度リカバリールームで十分に休息をとっていただき、お体の状態が落ち着いてから、術後の注意事項や今後のスケジュールについて説明します。

このように、デジタル技術を活用した事前準備と院内ラボの連携により、診断から手術、仮歯の装着までを1回の来院で完結させ、患者様の通院負担を最小限に抑えています。

補綴設計が治療の成否を決める理由

オールオン4治療の成功は、手術の技術だけでなく、補綴設計の質とチーム連携の緊密さに大きく左右されます。当院が最も重視しているのは、「最終的な歯の形をどう設計するか」という補綴設計です。

手術でインプラントを正確に埋め込むことは重要ですが、それは治療の一部に過ぎません。インプラントの上に装着する歯の形、配列、噛み合わせが適切でなければ、見た目に違和感が出たり、特定のインプラントに力が集中して破損のリスクが高まったりします。

補綴設計が治療の成否を決める理由

当院では、補綴専門医が治療計画の段階から深く関与し、「どこにインプラントを埋めるか」ではなく「どのような歯を作りたいか」を起点に設計を行います。この「トップダウン設計」により、審美性と機能性を両立した結果を実現しています。

手術を担当する口腔外科医は、この補綴設計に基づいてインプラントを正確な位置と角度に埋入します。

仮の歯から最終的な歯への移行と
長期メンテナンス

手術当日に装着する仮の歯は、見た目や基本的な機能は十分に備えていますが、材料的には最終的な歯よりも強度が劣ります。この仮の歯で数ヶ月過ごしていただく間に、インプラントと骨がしっかりと結合し、周囲の歯茎も安定してきます。

仮の歯の期間中は、硬いものを避けていただくなどの食事制限がありますが、日常生活に大きな支障はありません。また、この期間に噛み合わせや発音、見た目について気になる点があれば、院内ラボがあるため迅速に調整を重ねていきます。この試行錯誤の過程で得られた情報をもとに、最終的な歯を製作します。

インプラントと骨の結合が確認できたら(通常3〜6ヶ月後)、最終的な歯(上部構造)に交換します。最終的な歯は、耐久性の高いセラミックやジルコニアなどの材料で製作され、天然の歯に近い透明感と強度を持っています。

メンテナンスの重要性

オールオン4は固定式のため、患者様ご自身では取り外せません。そのため、通常の歯以上に丁寧なセルフケアが必要です。

当院では、治療を担当した歯科衛生士が継続してメンテナンスを行います。定期的な来院時には、専用の器具を使ってインプラント周囲を徹底的にクリーニングし、噛み合わせのチェック、レントゲン検査などを行います。

適切なメンテナンスを継続することで、オールオン4は長期間にわたって安定した状態を維持できます。メンテナンス次第で、生涯を通じてお使いいただくことも十分に可能です。

治療の成功は「手術で終わり」ではなく、その後の長期的なケアとの二人三脚で実現されるのです。

メンテナンスの重要性

よくある質問

本当に手術当日から噛めるようになりますか?
はい、手術当日に仮の歯を装着し、軽い食事であれば可能です。
ただし、手術直後はインプラントと骨がまだ完全に結合していないため、硬いものや粘着性の高い食品は避けていただきます。柔らかいご飯、煮物、スープ、魚料理などは問題なく召し上がれます。
手術後2〜3週間で徐々に食べられるものの範囲が広がり、最終的な歯に交換する頃には、ほぼすべての食品を楽しめるようになります。当日1回の来院で手術から仮歯装着まで完結するため、何度も通院する負担がないのも大きなメリットです。
手術中の痛みや恐怖はありませんか?
手術は静脈内鎮静法という麻酔方法で行います。
これは全身麻酔とは異なり、意識はありますが、うとうとと眠ったような状態になり、痛みや恐怖をほとんど感じません。
麻酔専門医が患者様の状態を常に監視しているため安全性も高く、手術後は「あっという間に終わった」「思ったより楽だった」という感想をいただくことが多いです。術後の痛みは鎮痛剤でコントロールでき、多くの方は数日で日常生活に戻られています。
上下両方の治療は同時にできますか?
技術的には可能ですが、当院では基本的にお勧めしていません。
上下同時に手術を行うと、体への負担が非常に大きくなるほか、手術直後は両顎とも食事制限があるため、食事が困難になります。
通常は、まず上顎または下顎の一方を治療し、仮の歯が安定して食事ができるようになってから、もう一方の治療を行います。両方の治療を完了するまでの期間は、患者様の治癒経過にもよりますが、6ヶ月〜1年程度が目安です。
他の歯科医院で骨が薄いと断られましたが、本当に治療できますか?
多くの症例で対応可能です。オールオン4は、骨の厚い部分を選んでインプラントを配置し、斜めの角度を活用することで、骨造成をせずに治療できる可能性があります。
当院では、CT撮影による3次元分析とコンピュータシミュレーションで、患者様の骨の状態を精密に評価します。検査結果は可視化してご説明し、治療の可否を判断します。
また、補綴医、口腔外科医、麻酔医が連携して総合的に診断するため、他院で断られた難症例でも対応できるケースが多くあります。検査の結果、もし当院でも治療が難しい場合は、その理由を丁寧にご説明し、可能な代替案をご提案します。
費用はどのくらいかかりますか?
オールオン4は保険適用外(自費診療)となります。
片顎あたりの費用は、使用するインプラントの本数、仮の歯と最終的な歯の材料、必要な検査や処置の内容によって変動しますが、一般的に300万円〜400万円程度が目安です。この費用には、術前の精密検査(CT撮影、シミュレーション)、手術、麻酔、インプラント材料、仮の歯、最終的な歯、術後のメンテナンス(一定期間)などが含まれます。
初回のカウンセリング時に、検査結果に基づいた詳細な治療計画と費用見積もりを提示いたしますので、十分にご検討いただけます。

特設サイトを見る

オールオン4(ワンデイインプラント)の特設サイトを作成しておりますので、治療を検討されている方は是非一度ご覧ください。