親知らずの抜歯前には、CT撮影を行い、親知らずの位置や形態、周囲の神経や血管との位置関係を三次元的に把握します。
従来の二次元的なレントゲン写真では確認できない詳細な情報も、CTであれば正確に把握できます。
この情報をもとに、抜歯のリスクを評価し、最も安全で確実な抜歯方法を計画します。また、患者様にも画像をお見せしながら、親知らずの状態や抜歯の手順、リスクについて詳しくご説明いたします。
親知らずは、正式には「第三大臼歯」と呼ばれる、最も奥に位置する歯です。
通常、上下左右に1本ずつ、合計4本存在しますが、もともと存在しない方や、4本すべてが生えてこない方もいます。多くの場合、10代後半から20代前半にかけて生えてきますが、生涯にわたって歯茎の中に埋まったままのこともあります。
人類の進化の過程で顎が小さくなった現代人にとって、親知らずが生えるスペースは十分に確保されていないことが多く、そのため様々な問題を引き起こします。
真っ直ぐに生えてくればよいのですが、斜めに生え始めたり、横向きに埋まったままだったりすることで、痛みや炎症、隣の歯への悪影響などが生じます。
このような問題が既に生じている場合、あるいは将来的に問題を引き起こすリスクが高いと判断される場合には、親知らずの抜歯が推奨されます。
当院には、大学病院に所属する口腔外科専門医が在籍しています。口腔外科専門医は、日本口腔外科学会が認定する専門資格を持つ歯科医師であり、親知らずの抜歯をはじめとする口腔外科手術に関する高度な知識と豊富な臨床経験を有しています。
親知らずの抜歯は、特に埋まっている親知らずや横向きに生えている親知らずの場合、高度な技術を要する処置です。
歯茎を切開し、必要に応じて骨を削り、歯を分割して取り出すといった複雑な手技が求められます。また、下顎の親知らずの近くには太い神経が走っており、この神経を傷つけないよう細心の注意を払う必要があります。
当院の口腔外科専門医は、大学病院で多数の症例を経験しており、難症例にも対応できる技術を持っています。そのため、他院で「大学病院を紹介します」と言われた難しい親知らずでも、当院で抜歯できることが多くあります。
通常、難しい親知らずの抜歯は、大学病院や総合病院の口腔外科に紹介されることが一般的です。
しかし、大学病院は予約が取りにくく、初診から実際の抜歯まで数週間から数ヶ月待たされることも少なくありません。また、通院の負担も大きくなります。
当院では、大学病院レベルの技術を持つ口腔外科専門医が在籍しているため、難症例でも院内で対応可能です。
予約もスムーズに取れ、患者様の負担を最小限に抑えることができます。また、必要に応じて麻酔科医との連携のもとで、より安全に処置を行う体制も整えています。
親知らずの抜歯前には、CT撮影を行い、親知らずの位置や形態、周囲の神経や血管との位置関係を三次元的に把握します。
従来の二次元的なレントゲン写真では確認できない詳細な情報も、CTであれば正確に把握できます。
この情報をもとに、抜歯のリスクを評価し、最も安全で確実な抜歯方法を計画します。また、患者様にも画像をお見せしながら、親知らずの状態や抜歯の手順、リスクについて詳しくご説明いたします。

親知らずの抜歯を希望される場合、まず初診時にレントゲンやCT撮影を行い、親知らずの状態を詳しく診断します。
親知らずの生え方、埋まっている深さ、周囲の神経との位置関係、炎症の有無などを確認し、抜歯の必要性や難易度、リスクを評価します。
また、全身状態についてもお伺いします。持病や服用中の薬、アレルギーの有無などは、治療計画を立てる上で重要な情報です。
例えば、血液をサラサラにする薬を服用されている方や、骨粗鬆症の治療薬を使用されている方は、特別な配慮が必要となることがあります。
当院では、条件次第で即日抜歯に対応することも可能です。ただし、即日抜歯を行うためには、いくつかの条件を満たしている必要があります。
このように、即日抜歯は「必ず可能」というわけではなく、患者様の状態や当日の状況によって判断いたします。まずは診察にお越しいただき、状態を確認させていただければと思います。
抜歯は、局所麻酔下で行います。麻酔が効いた状態で処置を行うため、治療中の痛みはほとんど感じません。
親知らずの生え方によって手順は異なりますが、埋まっている親知らずの場合は、歯茎を切開し、必要に応じて骨を削り、歯を分割して取り出します。
抜歯後は、止血を確認してからガーゼを噛んでいただきます。通常、30分〜1時間程度で出血は止まります。
当日は、激しい運動や飲酒、喫煙、長時間の入浴は避けていただきます。また、抜歯した部位は触らないようにし、反対側で食事を摂るようお願いしています。
麻酔が切れた後、数時間から数日間は、痛みや腫れが生じることがあります。痛み止めや抗生物質を処方いたしますので、指示通りに服用してください。
通常、痛みは2〜3日程度で治まりますが、難しい抜歯の場合には、1週間程度続くこともあります。
腫れは、抜歯の翌日から翌々日にかけてピークに達し、その後徐々に引いていきます。特に下顎の埋まっている親知らずを抜いた場合には、頬が腫れて顔が大きくなることがありますが、通常1週間程度で元に戻ります。
歯茎を切開した場合には、縫合を行います。抜糸は、通常1〜2週間後に行います。抜糸までの間は、処置した部位のブラッシングは控えていただき、うがい薬で口腔内を清潔に保ちます。
抜歯した部分の穴(抜歯窩)は、徐々に歯茎が盛り上がってきて塞がります。完全に治癒するまでには、数ヶ月かかることもありますが、日常生活には支障ありません。