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歯周病治療

歯周病治療とは

歯周病治療とは

歯周病とは何か、そしてなぜ早期治療が重要なのか

歯周病の進行段階と自覚症状の少なさ

歯周病は、歯を支える歯茎や骨が、細菌感染により徐々に破壊されていく慢性疾患です。初期段階では自覚症状がほとんどなく、気づいたときには既に進行していることが多いため、「沈黙の病気」とも呼ばれています。

歯周病は進行度によって大きく3段階に分類されます。

  1. 歯肉炎(軽度) 歯茎のみに炎症が起きている状態です。歯磨きの際に出血することがありますが、痛みはほとんどありません。この段階では、適切なブラッシングと歯科医院でのクリーニングにより、健康な状態に戻すことが可能です。 歯肉炎(軽度)
  2. 軽度〜中等度歯周炎 炎症が歯を支える骨(歯槽骨)にまで及び、骨が少しずつ溶け始めます。
    歯周ポケット(歯と歯茎の間の溝)が深くなり、そこに細菌が蓄積しやすくなります。歯茎の腫れや出血が頻繁に起こり、口臭が気になることもあります。この段階では、専門的な治療が必要となります。 軽度〜中等度歯周炎
  3. 重度歯周炎 歯槽骨が大幅に失われ、歯がぐらつき始めます。膿が出ることもあり、最終的には歯が抜け落ちることもあります。この段階まで進行すると、外科的な治療や抜歯が必要になることも少なくありません。 重度歯周炎

全身の健康への影響と
早期治療の重要性

近年の研究により、歯周病は口腔内だけの問題ではなく、全身の健康にも深刻な影響を及ぼすことが明らかになっています。

歯周病菌や炎症性物質が血流に乗って全身を巡ることで、糖尿病の悪化、心血管疾患のリスク増加、妊娠中の方では早産や低体重児出産のリスク上昇などとの関連が指摘されています。

また、歯周病により歯を失うと、噛む力が低下し、栄養摂取に影響が出るだけでなく、認知機能の低下との関連も研究されています。こうした全身への影響を防ぐためにも、歯周病の早期発見・早期治療が非常に重要です。

当院の歯周病治療の特徴と体制

当院の歯周病治療の特徴と体制

歯周病専門医監修による
フローチャート管理

当院では、歯周病専門医の監修のもと、患者様一人ひとりの状態に応じた治療フローを明確化しています。

歯周病の進行度、歯周ポケットの深さ、骨の吸収状態などを詳細に検査し、「基本治療で改善可能な症例」「ブルーラジカル(Blue Radical P‑01)などの最新技術が有効な症例」「歯周外科治療が必要な症例」を明確に分けて判断します。

このフローチャート管理により、過度な治療を避け、かつ必要な治療を適切なタイミングで提供することができます。また、治療の各段階での評価を行い、改善が見られない場合には次のステップへ移行するという、科学的根拠に基づいたアプローチを採用しています。

担当衛生士制による継続的なサポート

歯周病治療においても、予防歯科と同様に担当衛生士制を採用しています。

治療開始から治療後のメンテナンスまで、同じ歯科衛生士が一貫して担当することで、患者様の口腔内の変化を詳細に把握し、最適なケアを提供します。

歯周病は治療後の管理が非常に重要です。

担当衛生士が長期的に関わることで、「この部分の磨き方が改善された」「歯茎の状態が良くなってきている」といった細かな変化を継続的に観察し、再発の兆候を早期に発見することができます。

担当衛生士制による継続的なサポート

ブルーラジカルによる科学的な
歯周病治療

ブルーラジカルによる科学的な歯周病治療

光触媒を用いた殺菌・除菌の新技術

ブルーラジカルは、光触媒の力を利用して細菌を殺菌・除菌する最新の歯周病治療技術です。特殊な光触媒溶液を歯周ポケット内に注入し、青色LEDの光を照射することで、活性酸素が発生し、歯周病菌を効果的に除菌します。

従来の歯周病治療では、スケーリングやルートプレーニング(歯根面の清掃)といった機械的な清掃が中心でした。これらの方法は歯石やプラークの除去には効果的ですが、複雑な形態の歯根や、器具が届きにくい深い歯周ポケットの奥底では、完全に細菌を除去することが困難でした。

ブルーラジカルは、光触媒溶液が歯周ポケットの奥深くまで浸透し、機械的清掃だけでは届かない部分の細菌も殺菌できるという大きな利点があります。

また、化学的な薬剤ではなく光触媒の作用を利用するため、耐性菌の発生リスクが低く、繰り返し使用しても効果が持続します。

切らない・痛くない歯周病治療

ブルーラジカルによる治療の大きな特徴は、「切らない・痛くない」という点です。

従来の歯周病治療において、中等度〜重度の症例では、歯茎を切開して歯根面を直接清掃するフラップ手術などの外科処置が必要となることがありました。

外科処置は効果的ですが、患者様の負担が大きく、術後の痛みや腫れ、回復期間の長さがデメリットでした。

ブルーラジカルは非外科的な治療であり、歯茎を切ることなく歯周ポケット内の細菌を除菌できます。

治療中の痛みもほとんどなく、麻酔が不要な場合も多くあります。治療後の腫れや痛みも最小限に抑えられるため、日常生活への影響が少なく、患者様の負担を大幅に軽減できます。

切らない・痛くない歯周病治療

外科治療が必要な症例との明確な
使い分け

ブルーラジカルは非常に有効な治療法ですが、すべての症例に適応できるわけではありません。当院では、歯周病専門医の診断のもと、「非外科治療(基本治療+ブルーラジカル)で改善可能な症例」と「外科治療が必要な症例」を明確に分けています。

  1. 非外科治療歯周ポケットが深く、骨の吸収が進行している場合でも、歯根の形態が比較的単純で、ブルーラジカルによる除菌が効果を発揮できると判断される場合には、まず非外科治療を試みます。
  2. 外科治療歯根の形態が非常に複雑で、機械的な清掃も困難な場合や、歯茎の形態を整える必要がある場合には、外科治療を提案します。

このように、科学的根拠に基づいて治療法を選択することで、患者様にとって最も負担が少なく、かつ効果的な治療を提供しています。

当院の歯周病治療の流れ

初期診断と基本治療

歯周病治療は、まず詳細な検査から始まります。

歯周ポケットの深さの測定、出血の有無、歯の動揺度、レントゲンやCT撮影による骨の状態の確認などを行い、歯周病の進行度を正確に把握します。

初期診断と基本治療

基本治療について

軽度の歯周病(歯肉炎や軽度歯周炎)では、基本治療で改善できることがほとんどです。基本治療では、歯科衛生士によるスケーリング(歯石除去)、ルートプレーニング(歯根面の清掃)、そしてGBTシステムを用いたバイオフィルム除去を行います。

GBTシステムのエアフローは、低侵襲でありながら効果的にバイオフィルムを除去できるため、歯周病治療の初期段階でも積極的に活用しています。

また、患者様ご自身によるセルフケアの改善も不可欠です。担当衛生士が、効果的なブラッシング方法や歯間ブラシ・フロスの使い方を丁寧に指導します。

ブルーラジカルによる治療介入

基本治療後に再評価を行い、改善が不十分な部位や中等度以上の歯周ポケットが残存している場合には、ブルーラジカルによる治療を提案します。

ブルーラジカルは、基本治療だけでは除菌しきれなかった深部の細菌に対して効果を発揮します。

ブルーラジカルによる治療介入

ブルーラジカルの治療方法に
ついて

治療は通常、数回に分けて行います。歯周ポケット内に光触媒溶液を注入し、青色LEDの光を照射することで、歯周病菌を殺菌します。

治療時間は部位にもよりますが、1回あたり30分〜60分程度です。治療後は歯茎の状態を観察し、炎症の改善や歯周ポケットの深さの減少を確認します。

専門医による歯周外科治療
(必要な場合)

ブルーラジカルによる治療でも改善が見られない、あるいは最初から重度の歯周病で外科治療が必要と判断される場合には、歯周病専門医による歯周外科治療を行います。

歯周外科治療には、フラップ手術や歯周組織再生療法など、症例に応じた様々な術式があります。

当院では、「通常治療 → ブルーラジカル → 専門医による歯周外科治療 → メンテナンス」という明確な治療の流れを確立しており、各段階での評価を丁寧に行いながら、患者様にとって最適な治療を提供しています。

専門医による歯周外科治療(必要な場合)

歯周外科治療の詳細については、別途「歯周外科治療」のページをご覧ください。

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治療後のメンテナンスと再発防止

歯周病治療が終了した後は、定期的なメンテナンスへ移行します。歯周病は慢性疾患であり、治療により一度改善しても、適切なメンテナンスを継続しなければ再発するリスクが高い病気です。

メンテナンスでは、歯周ポケットの状態確認、GBTシステムによるバイオフィルム除去、必要に応じてブルーラジカルによる除菌を継続的に行います。

ブルーラジカルはメンテナンス期間中も使用可能であり、進行抑制・再発予防に効果を発揮します。担当衛生士が継続的にサポートすることで、長期的に安定した状態を維持します。

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よくある質問

歯周病は完全に治りますか?
歯周病は慢性疾患であり、「完全に治る」というよりも「安定した状態を維持する」という考え方が適切です。
適切な治療により炎症を抑え、歯周組織の破壊を止めることは可能ですが、一度失われた骨は自然には戻りません。
ただし、歯周組織再生療法などの外科治療により、部分的に骨を再生させることも可能です。治療後は定期的なメンテナンスを継続することで、良好な状態を長期的に維持できます。
ブルーラジカルの治療は痛いですか?
ブルーラジカルによる治療は、ほとんど痛みを感じません。
歯周ポケット内に光触媒溶液を注入し、光を照射するだけなので、歯茎を切ることもありません。
患者様によっては、溶液を注入する際にわずかな違和感を感じることもありますが、麻酔が不要な場合がほとんどです。治療後の痛みや腫れも最小限で、日常生活にほとんど影響はありません。
ブルーラジカルによる治療は何回必要ですか?
症例の重症度や歯周ポケットの深さによって異なりますが、通常は2〜4回程度の治療を行います。
治療後に再評価を行い、改善が見られれば治療を終了してメンテナンスへ移行します。
改善が不十分な場合には、追加の治療や外科治療を検討します。また、メンテナンス期間中も、必要に応じてブルーラジカルによる除菌を継続的に行うことで、再発を予防します。
歯周病治療の費用はどのくらいですか?
基本的な歯周病治療(スケーリング、ルートプレーニング、GBTシステムによるクリーニング)は保険診療で行うことができます。
ただし、ブルーラジカルによる治療は自費診療となります。費用は治療範囲や回数によって異なりますので、詳細については診察時にお見積もりをお渡しいたします。外科治療が必要な場合の費用についても、事前に丁寧にご説明いたします。
歯周病は再発しますか?
適切なメンテナンスを継続すれば、再発のリスクを大幅に抑えることができます。
しかし、セルフケアが不十分になったり、メンテナンスを中断したりすると、再び細菌が増殖し、炎症が再発する可能性があります。
歯周病は慢性疾患であるため、治療後も継続的な管理が不可欠です。定期的なメンテナンスと、毎日の丁寧なセルフケアにより、長期的に良好な状態を維持することができます。