固定式で取り外し不要。違和感が少なく、自分の歯に近い感覚で噛めます。
ただし、両隣の歯を削る必要があり、支えとなる歯に負担がかかります。治療期間は比較的短く、2〜3週間程度で完成することが多いです。
ブリッジは、失った歯の両隣の歯を支えとして、連結した被せ物を装着することで、欠損部分を補う治療法です。橋を架けるように欠損部分を補うことから、「ブリッジ」と呼ばれています。固定式の装置であり、入れ歯のように取り外す必要がありません。
例えば、1本の歯を失った場合、その両隣の2本の歯を削り、3本分が連結した被せ物を装着します。両隣の歯が「橋脚」の役割を果たし、真ん中の人工歯(ポンティック)を支える構造です。このため、自分の歯と同じように固定され、違和感なく噛むことができます。
ただし、ブリッジを装着するためには、支えとなる両隣の歯を削る必要があります。これは、健康な歯であっても削らなければならないため、ブリッジ治療を選択する際の重要な検討点となります。
歯を失った部分を補う治療法には、ブリッジの他に、入れ歯とインプラントがあります。それぞれの特徴を比較することで、ブリッジの利点と欠点が明確になります。
固定式で取り外し不要。違和感が少なく、自分の歯に近い感覚で噛めます。
ただし、両隣の歯を削る必要があり、支えとなる歯に負担がかかります。治療期間は比較的短く、2〜3週間程度で完成することが多いです。

取り外し可能な装置。多数の歯を失った場合にも対応でき、健康な歯を大きく削る必要がありません。
ただし、違和感があり、噛む力はブリッジやインプラントと比較して劣ります。

顎の骨に人工歯根を埋め込む方法。両隣の歯を削る必要がなく、自分の歯に最も近い感覚で噛めます。
ただし、外科手術が必要で、治療期間が数ヶ月かかります。また、費用も高額になります。

それぞれの治療法の詳細については、別途「入れ歯」「インプラント」のページをご覧ください。
「入れ歯」を見る
ぴったりフィット違和感のない快適さ
「インプラント」を見る
天然歯に近い噛み心地を実現
ブリッジは、すべての欠損症例に適応できるわけではありません。以下のような条件を満たす必要があります。
などが挙げられます。
などは、他の治療法を検討する必要があります。
診察時に、患者様の口腔内の状態を詳しく確認し、ブリッジが適応可能かどうかを判断いたします。
保険診療で作製できるブリッジは、使用できる材料に制限があります。
奥歯のブリッジは、基本的に金属(銀歯)になります。前歯のブリッジは、表側にプラスチック(レジン)を貼り付けた金属のブリッジ(硬質レジン前装冠)を作製できますが、裏側は金属が見えます。
保険のブリッジでも、噛む機能は十分に回復できます。ただし、審美性や金属アレルギーの懸念がある場合には、自費診療のブリッジを検討することになります。
自費診療では、セラミック(陶材)を使用した、より審美性や機能性を追求したブリッジを作製できます。
患者様の希望する審美性、噛む力がかかる部位、予算などを総合的に考慮して、最適なセラミックブリッジをご提案いたします。
当院には、補綴の専門医が在籍しています。補綴専門医は、日本補綴歯科学会が認定する専門資格を持つ歯科医師であり、ブリッジを含む補綴治療に関する深い知識と豊富な臨床経験を有しています。
ブリッジ治療において重要なのは、適合精度と噛み合わせのバランスです。補綴専門医は、支えとなる歯の削り方、ブリッジの設計、噛み合わせの調整など、すべての工程において高い精度を追求します。
特に自費のブリッジにおいては、審美性と機能性を両立させた、患者様一人ひとりに最適なブリッジを作製します。

従来のブリッジの型取りは、印象材と呼ばれる粘土のような材料をお口の中に入れて、固まるまで数分間待つ方法が一般的でした。この方法は、嘔吐反射が強い方にとっては苦痛を伴うことがあります。
当院では、口腔内スキャナーを複数台導入しており、特に自費のブリッジ作製においては、多くの場合でこのスキャナーを活用しています。小型のカメラでお口の中を撮影するだけで、精密な三次元データを取得できます。

口腔内スキャナーは、印象材を使わないため不快感が少なく、デジタルデータとして記録されるため、精密なブリッジを作製できます。また、撮影したデータをその場で画面に映し出すことができるため、患者様にも削った歯の状態を確認していただけます。
自費診療に限らず、保険診療のブリッジにおいても、症例によっては口腔内スキャナーを使用することがあります。
患者様の口腔内の状態や、作製するブリッジの種類に応じて、最適な方法を選択していますので、安心して当院の担当医にお任せいただけたらと思います。
ブリッジの支えとなる歯が、虫歯や過去の治療により歯髄(神経)にダメージを受けている場合、まず根管治療を行う必要があります。当院には、歯内療法(根管治療)の専門医も在籍しており、補綴専門医と緊密に連携しながら治療を進めることができます。
根管治療の段階から、その後のブリッジの設計を見据えて処置を行うことで、より精密で長持ちするブリッジを作製することが可能です。
例えば、根管治療後の土台(コア)の形態を、ブリッジの設計に合わせて最適化することで、応力の分散や接着面積の確保など、力学的にも有利な形態に仕上げることができます。
ブリッジ治療は、通常、以下のような工程で進みます。
治療期間は、通常2〜3週間程度ですが、根管治療が必要な場合や、自費で複雑なブリッジを作製する場合には、さらに時間がかかることもあります。
ブリッジは固定式であるため、取り外して洗浄することができません。
特に、ポンティック(人工歯)と歯茎の境目は、汚れが溜まりやすく、清掃が難しい部位です。この部分の清掃が不十分だと、支えとなっている歯が虫歯や歯周病になり、ブリッジごと外れてしまうことがあります。
ブリッジを長持ちさせるためには、日々の丁寧なセルフケアが不可欠です。
通常の歯ブラシに加えて、歯間ブラシやフロス(ブリッジ専用のスーパーフロス)を使用して、ポンティックの下や支えとなっている歯との境目を丁寧に清掃することが重要です。

ブリッジを装着した後も、定期的に歯科医院でメンテナンスを受けることが重要です。メンテナンスでは、ブリッジの適合状態、支えとなっている歯の健康状態、噛み合わせのバランスなどを確認します。
専門的なクリーニングにより、セルフケアでは取り切れない汚れを除去します。
特に、ポンティックの下や歯茎との境目は、プロフェッショナルケアが重要です。定期的なメンテナンスにより、ブリッジの寿命を延ばし、支えとなっている歯を守ることができます。

ブリッジの寿命は、使用する材料や口腔内の状態、メンテナンスの状況により異なりますが、一般的には7〜10年程度と言われています。ただし、適切なケアを続けることで、それ以上長く使用できることも少なくありません。
ブリッジに以下のような症状が現れた場合には、早めに受診してください。
これらの症状は、ブリッジや支えとなっている歯に問題が生じている可能性があります。放置すると、支えとなっている歯を失うことにもつながるため、早期の対応が重要です。