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ブリッジ

ブリッジとは何か、
そして他の治療法との比較

ブリッジとは何か、そして他の治療法との比較

ブリッジの基本的な仕組み

ブリッジは、失った歯の両隣の歯を支えとして、連結した被せ物を装着することで、欠損部分を補う治療法です。橋を架けるように欠損部分を補うことから、「ブリッジ」と呼ばれています。固定式の装置であり、入れ歯のように取り外す必要がありません。

例えば、1本の歯を失った場合、その両隣の2本の歯を削り、3本分が連結した被せ物を装着します。両隣の歯が「橋脚」の役割を果たし、真ん中の人工歯(ポンティック)を支える構造です。このため、自分の歯と同じように固定され、違和感なく噛むことができます。

ただし、ブリッジを装着するためには、支えとなる両隣の歯を削る必要があります。これは、健康な歯であっても削らなければならないため、ブリッジ治療を選択する際の重要な検討点となります。

入れ歯・インプラントとの違い

歯を失った部分を補う治療法には、ブリッジの他に、入れ歯とインプラントがあります。それぞれの特徴を比較することで、ブリッジの利点と欠点が明確になります。

ブリッジ

固定式で取り外し不要。違和感が少なく、自分の歯に近い感覚で噛めます。

ただし、両隣の歯を削る必要があり、支えとなる歯に負担がかかります。治療期間は比較的短く、2〜3週間程度で完成することが多いです。

ブリッジ

入れ歯

取り外し可能な装置。多数の歯を失った場合にも対応でき、健康な歯を大きく削る必要がありません。

ただし、違和感があり、噛む力はブリッジやインプラントと比較して劣ります。

入れ歯

インプラント

顎の骨に人工歯根を埋め込む方法。両隣の歯を削る必要がなく、自分の歯に最も近い感覚で噛めます。

ただし、外科手術が必要で、治療期間が数ヶ月かかります。また、費用も高額になります。

インプラント

それぞれの治療法の詳細については、別途「入れ歯」「インプラント」のページをご覧ください。

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ブリッジが適している症例と
適さない症例

ブリッジは、すべての欠損症例に適応できるわけではありません。以下のような条件を満たす必要があります。

ブリッジが適している場合

  • 失った歯の本数が少ない
    (通常1〜2本程度)場合
  • 両隣の歯が健康で、十分な強度がある場合
  • 固定式の装置を希望される場合
  • 外科手術を避けたい場合

などが挙げられます。

ブリッジが適さない場合

  • 両隣の歯が虫歯や歯周病で弱っている場合
  • 失った歯の本数が多い場合
  • 一番奥の歯を失った場合
    (片側にしか支えがないため)
  • 支えとなる歯を削りたくない場合

などは、他の治療法を検討する必要があります。

診察時に、患者様の口腔内の状態を詳しく確認し、ブリッジが適応可能かどうかを判断いたします。

ブリッジの種類と材料の違い

ブリッジの種類と材料の違い

保険診療で作製できるブリッジ

保険診療で作製できるブリッジは、使用できる材料に制限があります。

奥歯のブリッジは、基本的に金属(銀歯)になります。前歯のブリッジは、表側にプラスチック(レジン)を貼り付けた金属のブリッジ(硬質レジン前装冠)を作製できますが、裏側は金属が見えます。

保険のブリッジでも、噛む機能は十分に回復できます。ただし、審美性や金属アレルギーの懸念がある場合には、自費診療のブリッジを検討することになります。

自費診療で作製できるセラミックブリッジ

自費診療では、セラミック(陶材)を使用した、より審美性や機能性を追求したブリッジを作製できます。

  1. 天然歯に近い審美性セラミックは、天然歯に近い透明感と色調を再現できる材料です。患者様一人ひとりの歯の色に合わせて作製するため、周囲の歯と調和した自然な仕上がりが得られます。特に前歯のブリッジでは、保険の硬質レジン前装冠と比較して、格段に審美性が向上します。
  2. 金属アレルギーの心配がないセラミックは金属を使用しないため、金属アレルギーの方でも安心して使用できます。また、金属イオンの溶出による歯茎の黒ずみ(メタルタトゥー)も生じません。
  3. 変色しにくく長期的に美しさを保つセラミックは変色しにくい材料です。保険の硬質レジン前装冠は、プラスチック部分が経年的に変色したり、艶が失われたりしますが、セラミックは長期間にわたって美しさを保つことができます。
  4. 汚れが付きにくく清潔セラミックの表面は非常に滑らかで、プラークや着色汚れが付きにくい特性があります。これにより、清掃がしやすく、虫歯や歯周病のリスクを低減できます。
  5. 精密な適合と高い強度当院では、補綴専門医が精密に設計し、口腔内スキャナーを活用したデジタルデータをもとに作製するため、非常に適合精度の高いブリッジが完成します。また、現代のセラミック材料は強度も向上しており、適切な設計と製作により、奥歯のブリッジにも対応可能です。

患者様の希望する審美性、噛む力がかかる部位、予算などを総合的に考慮して、最適なセラミックブリッジをご提案いたします。

当院のブリッジ治療の
特徴と流れ

補綴専門医による精密な設計と製作

当院には、補綴の専門医が在籍しています。補綴専門医は、日本補綴歯科学会が認定する専門資格を持つ歯科医師であり、ブリッジを含む補綴治療に関する深い知識と豊富な臨床経験を有しています。

ブリッジ治療において重要なのは、適合精度と噛み合わせのバランスです。補綴専門医は、支えとなる歯の削り方、ブリッジの設計、噛み合わせの調整など、すべての工程において高い精度を追求します。

特に自費のブリッジにおいては、審美性と機能性を両立させた、患者様一人ひとりに最適なブリッジを作製します。

補綴専門医による精密な設計と製作

口腔内スキャナーによる精密な型取り

従来のブリッジの型取りは、印象材と呼ばれる粘土のような材料をお口の中に入れて、固まるまで数分間待つ方法が一般的でした。この方法は、嘔吐反射が強い方にとっては苦痛を伴うことがあります。

当院では、口腔内スキャナーを複数台導入しており、特に自費のブリッジ作製においては、多くの場合でこのスキャナーを活用しています。小型のカメラでお口の中を撮影するだけで、精密な三次元データを取得できます。

口腔内スキャナーによる精密な型取り

見える型取り
口腔内スキャナーの利点

口腔内スキャナーは、印象材を使わないため不快感が少なく、デジタルデータとして記録されるため、精密なブリッジを作製できます。また、撮影したデータをその場で画面に映し出すことができるため、患者様にも削った歯の状態を確認していただけます。

自費診療に限らず、保険診療のブリッジにおいても、症例によっては口腔内スキャナーを使用することがあります。
患者様の口腔内の状態や、作製するブリッジの種類に応じて、最適な方法を選択していますので、安心して当院の担当医にお任せいただけたらと思います。

根管治療専門医との連携による
一貫した治療

ブリッジの支えとなる歯が、虫歯や過去の治療により歯髄(神経)にダメージを受けている場合、まず根管治療を行う必要があります。当院には、歯内療法(根管治療)の専門医も在籍しており、補綴専門医と緊密に連携しながら治療を進めることができます。

根管治療の段階から、その後のブリッジの設計を見据えて処置を行うことで、より精密で長持ちするブリッジを作製することが可能です。

例えば、根管治療後の土台(コア)の形態を、ブリッジの設計に合わせて最適化することで、応力の分散や接着面積の確保など、力学的にも有利な形態に仕上げることができます。

ブリッジ治療の具体的な流れ

ブリッジ治療は、通常、以下のような工程で進みます。

  1. 初診・診査レントゲン撮影などで、支えとなる歯の状態を詳しく確認します。虫歯や根管治療が必要な場合には、まずそれらの治療を行います。
  2. 歯の形成両隣の歯を削り、ブリッジを装着できる形に整えます。この工程では、削る量を最小限に抑えつつ、ブリッジがしっかりと維持できる形態にすることが重要です。
  3. 型取り形成した歯の型を取ります。口腔内スキャナーを使用する場合もあります。
  4. 仮歯の装着最終的なブリッジが完成するまでの間、仮歯を装着します。仮歯により、見た目や噛む機能を一時的に回復させ、削った歯を保護します。
  5. ブリッジの完成・装着完成したブリッジを装着し、適合や噛み合わせを確認します。必要に応じて調整を行い、問題がなければ接着剤で固定します。

治療期間は、通常2〜3週間程度ですが、根管治療が必要な場合や、自費で複雑なブリッジを作製する場合には、さらに時間がかかることもあります。

ブリッジのメンテナンスと
長持ちさせるために

ブリッジ特有の清掃の難しさ

ブリッジは固定式であるため、取り外して洗浄することができません。

特に、ポンティック(人工歯)と歯茎の境目は、汚れが溜まりやすく、清掃が難しい部位です。この部分の清掃が不十分だと、支えとなっている歯が虫歯や歯周病になり、ブリッジごと外れてしまうことがあります。

ブリッジを長持ちさせるセルフケア

ブリッジを長持ちさせるためには、日々の丁寧なセルフケアが不可欠です。

通常の歯ブラシに加えて、歯間ブラシやフロス(ブリッジ専用のスーパーフロス)を使用して、ポンティックの下や支えとなっている歯との境目を丁寧に清掃することが重要です。

ブリッジを長持ちさせるセルフケア

定期メンテナンスの重要性

ブリッジを装着した後も、定期的に歯科医院でメンテナンスを受けることが重要です。メンテナンスでは、ブリッジの適合状態、支えとなっている歯の健康状態、噛み合わせのバランスなどを確認します。

専門的なクリーニングによる
プロフェッショナルケア

専門的なクリーニングにより、セルフケアでは取り切れない汚れを除去します。

特に、ポンティックの下や歯茎との境目は、プロフェッショナルケアが重要です。定期的なメンテナンスにより、ブリッジの寿命を延ばし、支えとなっている歯を守ることができます。

専門的なクリーニングによるプロフェッショナルケア

ブリッジの寿命とトラブルのサイン

ブリッジの寿命は、使用する材料や口腔内の状態、メンテナンスの状況により異なりますが、一般的には7〜10年程度と言われています。ただし、適切なケアを続けることで、それ以上長く使用できることも少なくありません。

受診していただきたい症状

ブリッジに以下のような症状が現れた場合には、早めに受診してください。

  • ブリッジが動く
  • 外れそうになる
  • 支えとなっている歯が痛む
  • 歯茎が腫れる
  • 冷たいものがしみる
  • 噛むと痛い

これらの症状は、ブリッジや支えとなっている歯に問題が生じている可能性があります。放置すると、支えとなっている歯を失うことにもつながるため、早期の対応が重要です。

よくある質問

ブリッジ治療は痛いですか?
歯を削る際には局所麻酔を使用するため、治療中の痛みはほとんど感じません。
麻酔が切れた後、数時間から数日間は削った歯がしみることがありますが、通常は自然に治まります。仮歯を装着している期間は、硬いものを噛むことは避けていただきますが、日常生活には支障ありません。
ブリッジを装着した後、食事や生活に制限はありますか?
ブリッジが完全に接着された後は、通常通り食事をしていただけます。
ただし、非常に硬いものを噛んだり、氷を噛んだりすることは、ブリッジが破損する原因となるため避けてください。
また、ポンティックの下を丁寧に清掃することが重要です。歯間ブラシやスーパーフロスの使い方については、装着時に詳しく説明いたします。
健康な歯を削ることに抵抗がありますが、他に方法はありませんか?
ブリッジは両隣の歯を削る必要があるため、健康な歯を削ることに抵抗を感じられる方もいらっしゃいます。
歯を削りたくない場合には、インプラントや入れ歯といった他の治療法を検討することになります。インプラントは両隣の歯を削る必要がなく、入れ歯は最小限の削合で済みます。それぞれの治療法の詳細については、診察時に詳しくご説明いたします。
ブリッジの費用はどのくらいですか?
保険診療のブリッジは、3割負担の場合、1本あたり数千円程度です。
例えば、3本分のブリッジであれば、1万円〜2万円程度が目安となります。
自費診療のブリッジは、使用する材料により大きく異なります。オールセラミックやジルコニアのブリッジは、1本あたり10万円〜15万円程度が一般的です。詳細については、診察時にお見積もりをお渡しいたします。
ブリッジと入れ歯、どちらがおすすめですか?
患者様の口腔内の状態、失った歯の本数、ご希望などにより、おすすめする治療法は異なります。
ブリッジは固定式で違和感が少なく、自分の歯に近い感覚で噛めますが、両隣の歯を削る必要があります。
入れ歯は取り外し可能で、健康な歯を大きく削る必要がありませんが、違和感があります。診察時に、それぞれの治療法のメリット・デメリットを詳しくご説明し、患者様に最適な方法をご提案いたします。