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左上前歯が反対咬合

マウスピース矯正による
咬合改善

患者様の主訴

患者様の主訴

左上前歯が反対咬合になっている

前歯の一部が内側に入り込んでおり、歯並びが綺麗ではないので、矯正治療を受けたいとのことで、当院にお越しになりました。

よく見ると、左上2番(写真の矢印が指す歯)が、下の歯よりも内側に入り込み、逆被蓋(反対咬合)になっています。

診査・診断

逆被蓋(反対咬合)を放置すると、左上2番だけに前後方向の異常な力がかかり続けます。長期的には歯のすり減り、歯ぐきの退縮、揺れにつながり、最悪の場合その歯を失うリスクもあります。

また、逆被蓋は、審美的な面で患者さんの心理的なストレスとなるだけでなく、汚れが溜まりやすくブラッシングが難しいため清掃性が悪く、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

セファロ・レントゲンなどの検査の結果、骨格に問題はなかったため、外科矯正などは不要で、通常の矯正治療で対応できると判断いたしました。

治療計画

患者様のご希望と症例の難易度を踏まえ、マウスピース矯正を選択しました。左上2番を前方かつ唇側に動かし、同時に上の前歯の凸凹を整える計画です。
歯を正確に動かすため、複数の歯にエンゲージメント(マウスピースが歯をつかむための、歯と同じ色をした小さな突起)を装着しています。抜歯はせず、装着時間が1日20時間以上必要であることをご説明したうえで治療を開始しました。

エンゲージメントとは

エンゲージメントとは、マウスピースと歯をしっかり噛み合わせるために歯面に付与する小さな突起です。(黄色の丸で囲んでいる箇所)マウスピースの矯正力を効率的に伝達し、歯の傾斜・回転・圧下といった三次元的な動きを可能にします。

矯正治療終了後、エンゲージメントは除去します。

エンゲージメント

本症例の治療について

治療の流れ

  1. 精密検査と治療計画の作成

    口腔内写真の撮影、歯型のスキャン、レントゲン撮影を行い、シミュレーションをもとに必要なマウスピースの枚数と治療期間を患者様にお伝えしました。

  2. エンゲージメント装着とマウスピース使用
    開始

    必要な歯にエンゲージメントを装着し、マウスピースの取り扱い方をご説明しました。1〜2週間ごとに次のマウスピースへ交換していただきます。

  3. 定期チェック

    1〜2ヶ月ごとに来院いただき、計画通りに歯が動いているかを確認します。

  4. 保定装置による安定化

    整えた歯並びが元に戻らないよう維持するために、矯正後も保定装置を装着して歯並びを安定させます。

治療後のメンテナンスの重要性について

矯正で動かした歯は、装置を外した後、元の位置に戻ろうとします。これを後戻りと言いますが、逆被蓋の改善後は特にこの力が働きやすいため、保定装置を必ず装着していただきます。

保定期間中は、ご自宅での歯みがきと歯間清掃に加えて、当院に定期的に来院していただき、噛み合わせの状態を確認するとともに、歯のクリーニングを行います。

治療前後の比較

口腔内写真

治療前
治療前
治療後
治療後

治療前後の比較

治療前後の写真を比較するとわかる通り、治療前は左上2番が下の前歯の内側に入り込んでいましたが、アライナー7枚目を終えた現時点では、左上2番が下の前歯の前方へと移動し、上下の被蓋関係が正常な方向に近づいています。

今回使用している治療後の写真は、治療が終了したばかりの写真のため、まだエンゲージメントが歯の表面に残っていますが、最終的にはすべて除去します。

担当医師より

今回の症例で一番心配していたのは、反対咬合の歯が計画通りに正常の位置に移動するかです。
反対咬合(逆被蓋)の歯は、動かす途中で下の歯と強く当たる時期が必ずあり、その瞬間にマウスピースが浮くと、計画上は動いているはずの歯が実際にはほとんど動いていない、ということが起こります。

しかし、計画通りに治療を進めることができました。また、そもそも骨格に問題がなく、マウスピース矯正で綺麗に歯並びを改善することができて良かったと感じています。

今後はホワイトニングも行い、歯全体を白くしさらに美しい口元を実現していく予定です。

治療時期 2025年7月
患者情報 40代・男性
主訴 左上前歯が反対咬合になっている
治療期間 7ヶ月
治療費 605,000円(税込)
リスク 後戻り、歯ぐきの退縮、知覚過敏、ブラックトライアングル(歯と歯の間にできる三角形の隙間)の発生、
装着時間不足による計画の遅延、追加マウスピースが必要になる可能性、ワイヤー矯正への移行の可能性