中央の前歯が開いているのが気になる
前歯の中央に隙間があることを長年気にされており、このすきっ歯を治したいというご希望でご来院されました。

前歯の中央に隙間があることを長年気にされており、このすきっ歯を治したいというご希望でご来院されました。
前歯まわりに歯と歯の間の隙間がある「空隙歯列」の状態です。歯とあごのサイズのバランスが原因で、放置すると歯茎の際に食べ物が入り込みやすくなったり、歯茎への負担が増えることがあります。
骨格には問題がないため、歯を削らずに歯並びを整えるだけで改善できると判断いたしました。
今回の症例では、歯を削らずにマウスピース型矯正装置を用いた部分矯正を採用しております。
マウスピース矯正装置で前歯部の歯列を整え、全体的な噛み合わせへの影響を確認しながら無理のないペースで歯を動かしました。
治療後は後戻りを防ぐため、保定装置(リテーナー)を使用していただいております。
口腔内写真、歯型の3Dスキャン、咬合の確認を行いました。現在の歯列の状態と、矯正後の予測される変化について説明し、治療方針を決定しました。
3Dデータをもとに作製したマウスピースの装着を開始しました。1〜2週間ごとに新しいマウスピースに交換しながら、少しずつ歯を目標位置へ移動させました。装着時間は1日20〜22時間を目安としています。
1〜2ヶ月ごとに来院いただき、歯の移動状況を確認しました。予定通りに歯が動いているかを確認し、必要に応じてエンゲージメント(歯に仮付けする小さなボタン状の突起で、マウスピースが歯をより正確に動かすための補助装置)を追加しました。
目標の歯列に達したことを確認後、矯正治療を終了しました。矯正後は歯が元の位置に戻ろうとする後戻りを防ぐため、リテーナー(保定装置)を装着していただいています。
治療前後の写真を比較すると、上顎前歯の中央にあった空隙がなくなり、前歯が隙間なく並んでいることが確認できます。
また、この問題のある前歯だけではなく、周辺の歯もそれに合わせてバランスよく移動させ、全体的な噛み合わせと見た目を整えています。
本症例で最も気を使ったのは、正中の位置をどこに落ち着かせるかという判断です。上顎の空隙を閉じるだけなら比較的シンプルですが、閉じ方によっては正中がわずかにズレたまま終わってしまうことがあります。
この患者様の場合、左右の歯の大きさに若干の差があったので、どちら側からどれだけ動かすかを最初のシミュレーション段階でかなり細かく設定しました。
患者様からは治療後に大変満足したというお声をいただき、担当医として素直に嬉しく思っています。ご来院からリテーナー装着まで、治療計画の立案と説明、そして各ステップの確認をしっかり担当できたことに責任を感じています。
| 治療時期 | 2025年4月 |
|---|---|
| 患者情報 | 30代・男性 |
| 主訴 | すきっ歯になっている |
| 治療期間 | 7ヶ月 |
| 治療費 | 715,000円(税込) |
| リスク | 後戻り、歯ぐきの退縮、知覚過敏、ブラックトライアングル(歯と歯の間にできる三角形の隙間)の発生、 装着時間不足による計画の遅延、追加マウスピースが必要になる可能性、ワイヤー矯正への移行の可能性 |